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20230928『皆月』上映と舞台挨拶/K's cinema

急すぎた!!

遡ること3日前、9月27日の夕方。会社帰りにスマホを見ると北村さんから「明日20時に新宿集合ね!」といった旨の連絡が入っていたため、翌28日、急遽新宿のK's cinemaさんで上映される映画『皆月』と、上映前舞台挨拶に行くことになりました。

 

要約:北村さんのFCから明日舞台挨拶に緊急登壇することになったと発表されていたので、急遽行ってきました。

 

幸い座席も比較的前の方がまだぽつぽつと空いている状況だったので、震える手でクレカ情報を二度打ち間違えながらも、どうにかチケットを取ることができました。

映画館の投稿を見て連絡をくれたお友達も本当にありがとう…LOVE

 

それにしても本当に急ですよね。ご本人のスケジュールとか、映画館のキャパ的にもぎりぎりまで登壇発表ができなかったんだろうなとは想像しつつも、ノリが地元のツレ感あってめちゃくちゃ面白い。

 

当日は緊張から頭痛、めまい、不眠、耳鳴り、腹痛、吐き気とほぼ全部の体調不良を起こしながらもなんとか体を引きずり新宿に向かったのですが、北村さんが非常にゆるっとした雰囲気でご登場されたのでお姿を見た瞬間めちゃくちゃ安心して全部治りました。すごい。百薬の長?(???)入口からひょっこり顔を出して客席をのぞき込むような感じで入ってこられたのが可愛かった…。

 

舞台挨拶は『皆月』の望月六郎監督との対談のような形で進行していくのですが、これもまたゆるい雰囲気で撮影当時の思い出などをお話されていました。

 

今この映画を見られるのは恥ずかしいし、できれば観ないでほしい。観ないで!と仰っていて(みんな今から観るんだよ!)とつっこみたくなるような発言でしたが、そう思っていることにちょっと安心したというか、この『皆月』は色んな意味で観る方も非常にしんどくなる作品で、実は私もこれまで鑑賞できていませんでした。

 

北村さんが「観ないでほしい」と言っていたのは主に女性への暴力シーンのことで、

悪い役はなりきらないとスクリーン上ではすぐに嘘だとバレてしまうからと、あくまで役だから!役だからね!感が伝わってきてそんな必死にならなくても分かってるよ!と思うほどの弁明っぷり。

ただ、北村さんはだめなものをだめとちゃんと認識してお芝居に反映されている役者さんだと普段から作品を観て思っていたのですが、この頃から既にそういう認識を持っていた方なのかなーと、お話を伺ってから本編観れてよかったなと思いました。

 

ところで私は北村さんの衣装で多い、肩が落ちるくらいオーバーサイズなジャケットとゆるっとしたパンツに、ごつめのブーツや革靴を合わせるスタイルが大好きなのですが、

今回もそんな感じで大変可愛かったです。スタイリストさんいつもありがとうございます。

 

さて『皆月』についての感想ですが、

いかにもダメで情けない感じの奥田瑛二さんも暴力的なシーンとのアンバランスさがあってさすがなのですが、これはやっぱりアキラを演じた北村一輝さんあってこその映画なのではないでしょうか。

 

狂気じみた暴力性、作中の誰よりも生命力に溢れているギラギラした姿。

かと思えば奥田瑛二さん演じる義兄になぜか懐き、妻に逃げられた義兄の世話を焼いて回る姿はとても可愛らしい。そして姉に別れを告げる際のどこか炎が消えたような、消え入りそうな姿。

結末まで見るとこれまで「なんで?」と感じていたアキラの行動の理由が全て伝わってきて、悲しいとも何とも表現しがたいアキラの表情はいっそう胸が苦しくなります。

北村さんも観ないでほしいとは言いつつ、ご自身のキャリアの中で重要な作品になったとお話されていましたが、なるほどこれは業界がほっとかないですよね。

贔屓目なしに見ても(嘘。若干あるかもしれない)全編通してアキラの存在が印象的な作品でした。

 

性的な描写が多いのもあり、今までなんとなく観るのを躊躇ってしまっていた作品でしたが、劇場でかかったタイミングで、そして何より北村さんご本人のお話を伺った後という、すごく最高のタイミングで観ることができたなーとしみじみ思います。K's cinemaさんに感謝です。